褐色のオルフェ
そのひとは太陽を映し 磨かれた 褐色の石のよう。 固く、微動だにしない 瞳の拡大鏡で ただ迷いをゆるさぬ一点を 射すくめている。 眼差しの先 残酷な陽射しは 焦げおち 二月の舗道に 陽炎を ゆらす。 そのあまりの熱い清らかさに いくじのない男たちは オルフェに なりそこね ただ茫々と見つめるばかりだ。