もう こんな旅は
サーモンピンクに囚われた 海辺の町を おいてけぼりの心が歩く。 海をみつめる人見知りの椰子にも 風はつめたく吹き抜けて。 バス停のむこうには 見知らぬ広場 見知らぬことばの クリスマス。 あのひとがいれば何もこわくない という思いと あのひとがいるからこんなにも 臆病なのだという思い。 もうこんな旅はしたくないと思うのに また踏み出してしまった。 着のみ着のまま 心ひとつで。 波がさびれた建物にあたり 勢いよく 砕け散る。 覚悟の飛沫に ふいに頬濡らす。