風にはためく 布を見た

 ほんのすこし 目を閉じたすきに
 夢は風をつたい あの木々の向こう側
 境界線のあたりで 燃え尽きようとしてる
 
 ざらりとした樹皮と樹皮をつなぐ布が
 だらしなく 風にはためいている
 陽射しが青ざめ 砂が湿ってきた
 今 薄目をあけ 揺れる布を見てる
 風に飛ばされ この体 包んでくれないかな
 そんなことを願い 打ち上げられた魚のように
 砂にじっと寝ころんでいる
 絞り染めの誘惑 バティックに染みた快楽
 夢を見ていた さめる日まで ずっと

 ほんのすこし 夢を見たすきに
 幸せは風をすべり あの布の向こう側
 境界線のあたりで 灰にならんとしている
 つま先とあごを 砂に埋め
 その様子をただ 眺めている 哀しくはない
 またじきに 目を閉じるだけだ
 すべては布にくるめるくらい
 簡単なことなのだ

 

in Pigeon Point, Tobago


 palm trees h o m e island dreams