c l o c k w o r k   h e a r t

チャイナタウンの
雑居ビルの 軒下なら$3だという
いかれかけた歯車を
軌道修正するための 値段

訛りの強い広東爺が
ジャックナイフで
ぼくの 裏蓋をあける
よごれた ユーモラスな爪を
祈る思いで みつめていた

ああこりゃ もう
修理が ききませんや

その声に かぎりなく 安堵し
あのひとのもとへと 駆け寄る

不謹慎な 提案をするために
不謹慎な提案を わらってのんでくれる
そのひとの 困り顔を みるために

でも不謹慎な 提案はできなかった
ぎりぎりと鳴る ねじまき音に
身をすぼめ もう二度とつたえることも
なかろうと 知った

ああ なんだ
まだ 壊れてなかったのか

勤勉なだけに 失ってしまうものがあると
知ってはいるのに 知ってはいたのに

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