フルーツ・ブランチ

中庭にテーブルを出して フルーツ・ブランチ
逢いたいひとと 集う午後
若芽は淡い露に うたい
太陽はネーブルのごとく 芳醇にころがる

木漏れ日にゆれる歓びの中
だが 私はそのひとだけを 見ていた
けして振り向かない
若く苦いレモンの木のように かたくななひとを

愛されることばかりに気をとられているあいだに
ひとり またひとりと 来客はいとまを乞う
私はただ願う この密度濃い緑の立方体に
閉じ込められてしまいたいと

あれから私はまだ 庭にいる
あなたが私の隣にいることに驚き 震え

この小さく深い隙間で 愛する苦しさに
途方に暮れながら
すっかり熟れてしまった果実を
今日も テーブルにならべているのだ


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