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樹上にすむひと
秋枯れ セントラル・パーク。
そのひとは たしかに そこにいた。
重すぎる 肩の荷に じっとたえるように。
きっと 天使の ヒエラルキーの
下のほうに属するのだろう。
下のほうは どの世界もつらいものだから。
もうこの重みをおろしてしまおうか。
じっと かんがえている。
そのあいだも 聡明な秋の葉は
さらさら 樹から はなれゆく。
この晩秋の色づきのように
簡単なものには なるまいか。
自然に染まるわけには いくまいか。
つらくも見える その身の透き通り方。
そのとき きづいた。
天使に 重みをしかけてるのは
ぼくなのだ と。
地上に はらはら 舞いおりる
希望という重荷を。 |