お ひ る ね 日 記
Mar 2008 (2) 

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2008.3.15 (Sat) in NY    ★★★

サニベルで拾ってきた巻貝の一つに、まだ中身(!)が入っていたことが発覚する(確認したつもりだったのに)。ジップロックをあけたら、その臭い阿修羅のごとし。 午後はニューオリンズのガンボショップで買ったレシピ本をもとに、ガンボ作りに挑戦(親方が)。NYではどのケイジャンレストランに行っても「これだ!」 という美味しいガンボが食べられないため、とうとう一念発起したのだ(親方が)。シーフードガンボ用の海老、蟹を買いにチャイナタウンに行ったところ、新鮮なザリガニを発見。急遽、ザリガニのガンボに変更。
 
晩ご飯は頭がザリガニ化しているため、ザリガニとアーティチョーク、にんにくのピザをデリバリー@トゥー・ブーツ。 シーザーサラダ。濃くておいしい。
 
2008.3.16 (Sun) in NY    ★★

車(の助手席)でハーレムのスーパーマーケット、フェアウェイへGo。途中、12番街でフリーチベットを訴えるデモが行なわれているのを目にする。 あの固くて巨大な力を行使する国に、すこしでも声が届くように…と思いながら、窓からじっと眺める。さてもフェアウェイのコールドルームで鴨肉や魚介を選んでいたら、体の底までひえきってしまった。 ここにくるときは、今度から厚着をしてこよう、と心に誓う。昨日からぐつぐつとザリガニでだしをとったストックにオクラ、玉ねぎなど入れて、ガンボを完成させる(親方が)。うまし。
 
中国産の食品は敬遠しているけれど、それでもチャナイタウンはローカルの魚、肉、野菜も新鮮で安い。ザリガニの季節は短いから、あるうちにせっせと食べたいものじゃ。 晩ご飯は昨日からしこんだガンボに、フェアウェイで買いしミックス茸とゴルゴンゾーラのサラダ、バゲットにガンボをつけてわしわしと食。BGMは、ドクター・ジョンで。
 
2008.3.17 (Mon) in NY    ★★★

家中がまだザリガニくさい。朝からトイレのタンクの修理人くる。トイレを直してくれるひとは救世主なり。午後、着付け教室。着物を教えてくれるひともまた救世主なり。 先生のまさこさんに長じゅばんをお借りし、ウィリアムズ・バーグにアンティーク着物のお店を持っておられるさおりさんに素敵な着物を借りての練習。これで上達しなきゃ着物が泣くわよ。 あ、泣き声がきこえる、花柄着物の袂から。ほかの生徒さんと「練習してきた?」「ううん…実はこれ(着物が入っているバッグをさして)先週の月曜から一度もあけないでそのままもってきた」 「てへっあたしも!」なんて自慢げに話す。…だめだめじゃん。
 
晩ご飯は本日もガンボ(昨日はフレンチバゲットと、今日は黒目豆入り玄米と一緒に)。それに焼き芽キャベツとゴルゴンゾーラチーズ、炒った松の実のサラダ。 鯖が食べたい病が昂じて買ってきたスモーク・マッカレル。香りはいいが、骨多し。とってから燻して欲しい…。
 
2008.3.18 (Tue) in NY    ★★★

ようやく仕上げたお絵かき原稿を送ろうとするも、データの容量が大きすぎて送れぬことが判明。小さすぎるポストの口にぎゅぎゅっと大きな荷物を押し込もうとして押し返される、という脳内図を思いえがく。 慌ててCDに焼いてプチプチにくるんでFedexに駆け込み寺。後、いつものスパイス屋で黒胡椒やほうれん草のクスクス、クミンシードを仕入れた後は、火曜にはトルコ料理を食べようよの会@ターキッシュ・キッチン。 アーティチョークの柔らか蒸し、なすの炭焼きにんにくソース、マンティという牛肉だんごのほかに、私は仔牛のレバーとバルガーウィートのパイ(ラムひき肉入り)の前菜二つをメインに。 どれも美味しかったが、J坊「まあまあかな…」。知っている。最高点でなかったのはウェイトレスが可愛い子ちゃんでなく、トルコ人の髭おじさんだったからだと。
 
2008.3.19 (Wed) in NY    ★★★

晩ご飯は手下とお酒持ちこみタイ飯@Eat Pisada。サニベル島の話、いま生きている日々になにかが足りぬというような話。私なんかいつも足りないだらけだが、その空洞をすこしずつ、自分に興味のあるものだけでちまちまとうめていく作業をしていきたい。 友達、減ってきたよねえ、とも。会えば楽しいのに、自分を動かすのが億劫で、そうするうちにうちにどんどんひとからも、世間からも遠ざかってしまうこと。それはそれでいいのだと開き直ってもみる。 そういう時期だと思えるあっけらかんさこそが、いまは大切なのかもしれぬ。
 
タイ風オムレツは卵がふわふわ。 スパイシーサラダはグリーンパパイヤがしゃきしゃき。
 
2008.3.20 (Thu) in NY    ★★★

あちこちで凶暴な音がしてこわいほどの強風。ひさしぶりの友達とお茶、のつもりがでっかいビスケットにコールスロー@クリントンベーカリー。ここでビスケットを食べずにすむわきゃないのだった。 歯科と皮膚科の話をとっくりと語り合ううち、久しぶりの友達に会う際の照れくささが消えていく。おそるべし病気話。しかしお医者がこわくないとはなんともうらやまし。 夕、Sakayaさんにて黒龍と出羽桜の試飲。黒瀧4合瓶を買いつつも、すかさず一升瓶も注文。試飲で「これ、一升瓶もありますか?」と訊いてばかりいる客ってどうなんだろう。
 
晩ご飯は前から気になっていた和風パスタの店@パスタ和風(そのままやん)。前菜4種盛り合わせは平目薄造り、うなぎ巻き揚げ、スパイシーツナのつくね、蟹のきゅうり巻き。 パスタはウニと海苔。うーん、海苔の味がききすぎて肝心のウニが…。
 
2008.3.21 (Fri) in NY    ★★

歯にりっぱな冠かぶせる。数日前から緊張のせいか体調がすぐれぬため、終わると一気に健康になった気がするも、確実に気のせい。ついでに虫歯が何本も発見され、気落ちする。 こんなにも歯医者を恐れる私に、なぜか歯科専門誌からエッセイの依頼がきた。最初は歯天使様(知り合いの歯科衛生士さんたち。彼女たちならやりそうなのだ)たちが冗談で推薦してくれたのかと察したが、そうではないらしい。 びっくりしたのと、天使様たちへのウケ狙いで、尻に火状態のくせについお引き受けしてしまう。「ウケ狙い」は、自分にとって仕事をする際の重大な要素だと気づくも、それははたしてよいことなのか!? しかし何を書けばいいんじゃろう。専門誌に「怖い」と千回唱えるだけじゃ申し訳ないだけだし、と途方にくれる。 晩ご飯は冷凍しておいたガンボに蟹を入れた再ガンボを黒目豆入り玄米にかけて。油菜の黒酢炒め。BGMはネヴィル・ブラザーズ。
 
2008.3.22 (Sat) in NY    ★★★

ひさしぶりに「寝台と台所その他」の店に行く途中、枕をかかえた人をたくさん見かける。なんだろうなあ、と思っていると、帰りのバスの窓から見えたのは、ユニオンスクエアの広場で枕をぶつけあう人、人、人。 広場中が枕の羽毛でまっしろけ。ピロウ・ファイトなるものだそうな。な、なんのために? 平和よのう。ちょっとやってみたいけど、枕でもあんな強さでぶたれたら痛いよな、などと思う横をおおきなステッカーをたくさん車体に貼った車が通りすぎていった。 車には、中国政府に拷問を受け命を絶たれたチベット人のむごたらしい写真があちこちに。目をそむけようと思ってもそむけられず。どちらの光景にも目を閉じないでいよう、などと思う日じゃった。
 
晩ご飯は帆立のグリル、バジルのソース。ひよこ豆と黒豆のサラダ(セロリ、玉ねぎ、ピーマン)。雑穀米。 念願のオイルディスペンサーを買い。オリーブ油とグレープシード油用。こっちのオイルは瓶がでかいので、液だれするたびいらいらしていたので。ついでにスパイスボトルも。
 
2008.3.23 (Sun) in NY    ★★

感謝祭。いつもの酒屋の面白いロックなお姉さんと何十分も立ち話。彼女の妹さんの壮大なオタク人生に耳をかたむける。妹さん(アメリカ人)は10才から日本語を習いたいと言いだし、今ではぺらぺら。 自らを「桜」と名づけ、滅多に笑わぬが、お姉さんが芸者のコスプレをさせてあげたときにだけ何年ぶりかに本当に嬉しそうに笑ったのだとか。 家からほとんど出ず、日本のビジュアルバンドの誰か(名前失念)と結婚する日を夢見ているらしい。芸者姿の妹さんの笑顔をものすごく見たくなる。 満開の桜の花のごとき笑顔だったことじゃろう。
 
お昼に焼いたとうもろこし粉の穴玉(アナダマ)パン。とうもろこしのふんわりした甘さと、上に振った粗塩のしょっぱさがちょうどよし。 晩ご飯は鴨をグリルパンで焼き、芽キャベツをその美味しい鴨の脂で焼く。松の実、アプリコット入りクスクスにデザートはショコラ・フォンダン!(料理教室の持ち帰り)
 
2008.3.24 (Mon) in NY    ★★★

着物教室通算7回目。先生のまさこさんが、ガーゼで補正パッドを一人一人に作ってくださる。あるとなしじゃ、着あがりにぐんと差が出るのは一目瞭然。ずんどうがもてはやされる着物文化のすばらしきかな。 しかし。私たちは「補正にガーゼが必要」といわれ、それぞれドラッグストアで探して買ってきたのだが、まんま包帯!なのだった。これじゃ着付けじゃなくてただのミイラになっちゃうよ。 こちらにはなぜだか、日本のように幅広の薄いガーゼが売っていないのだ。帰国時のお土産リストに「医療用幅広ガーゼ」を追加する。晩ご飯は鯛のフライパン焼き(パセリとネギ入りサルサ・ヴェルデで)、黒目豆玄米ご飯、ゴルゴンゾーラと豆のサラダ。
 
2008.3.25 (Tue) in NY    ★★

せかされるのはきらいなのに、ひとのことをちょいとせかしてしまったようで、うしろめたくなる。うーん。せかすというのはあれだな、自分が前に進むための時に身勝手な行為じゃね。 今後は、なにかをせかさずとも自分のペースで淡々とこなせる立場を確保しておきたい、と切に思う。朝、台所工事がとどこおりなく終わったか(変なところを壊したりしなかったか)点検のひと来。 どきどきと待ちながら、学校のぬきうち検査を思いだす。点検のひとは事前に遅れる旨を3回ほど電話してきたが、几帳面なんだかルーズなんだか…。
 
晩ご飯はいつもお隣の屋内市場で買い物をしているのに入ったことのなかったエセックス・レストランへ。ブルーポイント牡蠣が一個$1.5とあって1ダース頼んでぱくぱくと。 火曜日は、ムール貝食べ放題の日。グラスワインも9時まで半額。ムスカデを飲みつつ、こぶりだけれど身のしまったムール貝をこれまたぱくりぱくり。
 
2008.3.26 (Wed) in NY    ★★★

晩ご飯は久々の友達と美味しいイタリアンを食べようよの会を計画。店の名はイル・バガットというのだが、友達が間違ってメールで「ガバット」と繰り返していたのが笑えた。 がばっと何かすること、最近なくなったなあ。小学生のころはなんでもガバッ!としていた気がする。食べるのも遊ぶのも。いまは「おそるおそる」とか「様子みぃみぃ」だ。 などと考えながら店に向かったが、ガバット、いやバガットは本日貸切で閉まっており。やむなく他の店へ。
 
毎度飽きることなく頼んでしまういか墨パスタ、海老のスパイシートマトソース@マックス。この店は大盛りなのだが、がばがばっと食べる。 パンナコッタ。濃い。甘いものは苦手なので、こちらはちょびっとひと口もらって満足。
 
2008.3.27 (Thu) in NY   

本日は料理教室第2回目。鶏のさばき方を教えていただく。手でさわりながら骨の位置を確かめ、さっさっと手さばきよく小さな包丁を入れていく様に見ほれる。 先生のようにじょうずにできるようになるには、何羽の鶏をさばかなくてはならぬことか。夜、またしてもちょいとせかし気味になることありて、せかした相手にかみつかれ、泣きをみる。 晩ご飯は鴨の胸肉ソテー、エンダイブとゴルゴンゾーラと胡瓜のサラダ、ほうれん草のクスクス。
 
リゾット用のお米。教室では、質のいい材料とNYで手に入るお店を教えてもらえるのもうれしい。うーむ、近くにフェアウェイがほしい。 春野菜のリゾットは、炒めて甘みがでたリゾットで。
さばいた鶏の胸肉のソテーは香草たっぷりのソースでマリネしてから焼く。クレソンと、薄く削ったパルミジャーノとともに。 デザートは、ヌガティーンのミルフィーユ。同時に、残り生地でつくったフロレンティーンのクッキーはお持ち帰り用にリボンをつけて袋づめ。
 
2008.3.28 (Fri) in NY   

先日描き終えたはずの「顔」を見て、ありゃ、と思う。全然だめだ。この前はいい顔のような気がしたのに、まるで好みじゃない顔なのだ。締め切りは過ぎているが、焦って描きなおすことにする。 先日出会ったときは気にいっていたはずの顔が、今日見たら全然タイプじゃなかったよ…って、なんだか現実にもありそうな話。思い違いか心境の変化か目の曇りか。なににせよ浮かぬ心地。 夕、書類かかえてFedexに駆け込み寺。しかし慌てて書き写してきたアカウント番号が間違っていたせいで送れず。夜、つたえるべき人に言葉つたわらぬ。 あれこれと疲れがのしかかる日。晩ご飯は海老と白菜、ネギ炒めのラーメン。いんげんのキムチあえ。
 
2008.3.29 (Sat) in NY    ★★

ヘヴィメタル・デュオを聞きに行く@コーネリア・ストリート・カフェ。といっても、二人のロッカーが髪ふりみだしシャウトするほけではなく、ボブさんのチューバとレイさんのトロンボーンによるヘヴィな管楽器デュオなり。 かなり実験的なアプローチで、音は時おりくねくねうねうねと捩れながら、見知らぬ遠き世界の入り口をひらいていくようだった。 晩ご飯はペンネアラビアータとアーティチョークの前菜という、もっとも好きなイタリアンの基本組み合わせ@バー・ピティ。
 
2008.3.30 (Sun) in NY    ★★

酒屋さんで注文していた黒瀧一升瓶をピックアップする。すっかり顔を覚えられているらしく、店の扉を開けたとたん、店主のひろこさんが冷蔵庫へ向かっていったのが気恥ずかしいやらうれしいやら。 帰りがけ、「驚き驚き!」という名の店でバケツ買い。驚きのない、普通のバケツ。夕、iPodのことをすこし習う。マニュアルを読む能力に著しく欠けているため、ラップトップを二つならべ、一つ一つ実践してもらい、それを自分でメモするという教わり方だ。 すこしだけiPodのことがわかった気がするも、たぶん実際情報の千分の一ぐらいかと思われし。
 
豚のひもしばり。 晩ご飯はじりじり焼いたポークローインにシーザーサラダ、ドロップビスケット、お酒は喜多屋。黒瀧は次回のおたのしみにとっておく。
 
2008.3.31 (Mon) in NY    ★★★

着付け教室、第二期の最終日。8回習ったことになる。しかしまだまだ。「どうして帯がゆがんじゃうんでしょう?」「あら、帯枕逆につけてますよ」…これで8回、と思わずつぶやき、苦笑される。 日本から帰国したら、また申し込むことにしようと決心。記念に教室のみなで写真を撮る。アンティークに紬に染め、いろいろなきものを着たいろいろな人生のひとが、写真に写っており。 晩ご飯はザリガニとアーティチョークのピザ、ツナとピーマンとロメインレタス、ブルーチーズのサラダ。
 

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