お ひ る ね 日 記
May 2007 (1) 

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2007.5.1 (Tue) in NY   

抜歯と断水。本日はあまり嬉しくないイベントふたつ。世を渡っていくのは、いくつになっても大変なことよのう。先生は若くハンサムなゲイボーイ風(多分そのもの…)。 足元はど派手なスニーカー、腕にはおっきなタトゥー3連発ときた。電話で「今晩劇場に行くので…」と話していたので、「何かお芝居観るんですか?」と気を紛らわそうと訊ねると、 ケロっと「いやぁ嘘ついちゃった。芝居は明日。だってシツこいんだもん、遊びに来たついでにちょっと歯を見てくれって」…なんだか信頼できそうな先生じゃ。 観念して身をゆだねるもこれが痛いのなんの。「麻酔のおかげで治療中は痛みなし」と、たかをくくっていたのに。歯隋末端の強力なバクテリア野郎が、合計5本も打ったノボケイン注射の麻酔力を阻止したらしい。 もっと頑張ってほしかったよノボちゃん。よろよろと帰りつつ、すかさずホールフーズに寄りて買い物。早く帰っても水が止まっているのでなにかと困るのだ(とくにトイレ)。 ホールフーズにゃ寄り道したくせに薬屋で処方箋薬を貰ってこなかったことについて(力尽きた)、親方におおいに呆れられる。麻酔が切れた途端激痛。晩ご飯は豆のスープを啜る。
 
2007.5.2 (Wed) in NY   

私は顔だけは細いのでよく痩せていると勘違いされるが、その恩恵も使えんほどの腫れ具合。こぶとりじいさんとは、わしのことじゃ。唯一恩恵をうけたのは薬局にて。 普段なら処方箋を渡して1,2時間後に戻り、列にならんで薬を受け取り、という面倒くささなのが、薬剤師さんも私の大きめ大福を頬張ったみたいな頬にはっとした顔になり 「…できるだけのことはするので、そこで待ってて」とすぐ薬を出してくれた。横入りのほかに使えることはないかの、この顔で。痛みを堪えつつ大量のゲラ読み。 暗く悲観的な流されそうな赤ペンを「水道から水が出るだけでもありがたい」となだめる。ご飯は朝にカスピ海ヨーグルトを啜り、昼に雑炊を啜り、晩に啜り飽きて白身魚を食す。
 
昨日は鍋を総動員して断水に備えたり。でもトイレ1回流すのに、鍋の水ひとつつ使わねばならないのが悔しい。キューバの公共住宅で入ったトイレを思い出した。 晩ご飯はパーチのホイル蒸し(アスパラ、たまねぎ、仕上げにバジルとペコリーノチーズ)。ご飯も生野菜も食べられず、やわらかいものをちまちまつまむ。
 
2007.5.3 (Thu) in NY    ★★

頬の腫れ、大福から茶饅頭ほどになってきた。髪で饅頭顔を隠すようにしながら、レスポのセールへ@チェルシー。NYでセールにこんな長蛇の列ができているのをはじめて見たり。 これ!という柄物があまりなく、つい無難な黒のトートや旅行バッグを入手。ここに来ているひとは皆レスポ通らしく、「これは最近の型でもっと丈夫なのよ」などと薀蓄かたむける人、 「Tokidokiを頼まれちゃってるんだけど、また明日来なきゃ」などと話しかけてくるおばさまなど、あらゆる世代のレスポファンが一堂に会した様が壮観じゃった。
 
2007.5.4 (Fri) in NY    ★★

頬の腫れ、みたらし団子ほどに。しかし甘いもの苦手なくせになぜ例えが甘味? 今週はゲラ読み週間。ゲラのお供といえば赤ペンと修正液だが、この修正液が小憎らしい。 歯が痛いのでますますもって癇に障る。すぐにチップの先がぼてぼてになるため修正テープに変更するも、これが途中ですぐ切れてしまう。切れると、中にテープがまだたくさん残っているくせに使い物にならん。 もしかしてアメリカ製の修正テープは横書き用で、無理に縦使いするせいかとも思い、校正紙を横にして使ってみる。が、たてつづけに2個もだめにした。 おのれ、使えぬやつ!とぼてぼての液体修正液にまた戻る。肝心のゲラより修正液問題に気をとられるのが、これまた癇に障るのだ。
 
昨日はEl Castiro Jaguaから、チキンとライス&ビーンズをデリバリー。ようやくスープや雑炊でなく肉物を食べられた。いつもなら頭にくるゆですぎ野菜も今はありがたし。 晩ご飯は豆腐サラダ(ケールのスプラウト、らっきょう、玉ねぎ、ねぎのせ、人参ドレッシング)、ブロッコリのオイスターソース炒め、鳥の焼いたの。
 
2007.5.5 (Sat) in NY    ★★

頬の腫れ、うずらの卵ほどになってきた。よしよし、と午後はミョウガ植え付け。ネットで買った「最高品質のガーデン・ライム!お試しサイズ」なるものも土に混ぜる。 苦土石灰をガーデン・ライムということも知らなかったぐらいだから、この白い粉がどれほどの品質なのかも解るすべなし。土にしみこんで植物がえっへへとラリっちゃうぐらい、いいもんなんだろうか。 よぉし、いちじくさんにもあげちゃおう。などと土いじりしていたらもう夕方。痛み止めと抗生物質まみれゆえべランダワインはがまん。癇に障る人生続行中。
 
2007.5.6 (Sun) in NY    ★★★

チクタクダイナーという陽気な名のダイナーでがっつり大きなハンバーガーを昼に食す。歯を抜いたときから無性に食べたかったのだ。ブルーチーズとベーコン入り。 口のなかの縫い傷が痛いので、ベーコンを細かく刻んでまた戻すという細かい技を使いつつ半分ほど食す。フリーマーケットを散策した後、キッチンデザイナーのところへ。 蛇口や流しや流しの後ろの壁(バックスプラッシュというらしい)を選んだりした。普段の私ならじっくり研究に研究を重ね、それぞれに三日はかける感じだが、本日はそれぞれ3分ぐらいで選んだ。 夜半、ろくに噛まずに脂っこいバーガーをがっついたせいで大層おなかが痛くなる。毎度毎度…(呆)。
 
昨日は山菜とブラウンマッシュルーム、ツナの柚子胡椒バターパスタ。ケールもやしとアスパラサラダ。今まで貰い物の手作り柚子胡椒を食していたので、市販品は今一歩だと初めて気づく。 晩ご飯は鮭のパン粉焼き、ターツァイと揚げ豆腐炒め、らっきょうとキャベツサラダ。
 
2007.5.7 (Mon) in NY    ★★

午後、図書館、銀行とまわり、病院で血液検査の結果をピックアップ。ちょうど事務の女の子の誕生日祝いをやっていたようで、仕事中にチョコレートケーキに火をつけ、「ハッピーバースデー!」と皆で歌っていた。 女子高のよう。一緒に歌うコーエン先生はさながら女子高の先生か。コーエン先生から「まぁ問題はほとんどあまりせんね」と貰った検査結果用紙を後で見るとチョコレートの茶色いしみが点々と…。 たとえ問題があってもチョコまみれの検査用紙じゃ深刻度が目減りそうな。晩ご飯はチャイナタウンのお豆腐屋で買った厚揚げ(ふかふかでうまし)と鶏ささみ、3色ピーマンとブラウンマッシュルームのカレー炒め。ターツァイ煮びたし。 カレーはゴールデンカレーの素とアルーバで買ったカレースパイス、チキンブイヨンを混ぜてみた。
 
2007.5.8 (Tue) in NY    ★★

今週中に絶対戻さねばならぬ分厚いゲラ読み、来週からの作家レジデンシーでの作業準備、植え替えをせがむ植物たちの世話と、あわあわした状態のなか歯医者へ。 まだまだ痛いが、順調に治癒しているとのことでよかったよかった。ドクターは「カリフォルニアで買った日本の流行りものの人形でアニメっぽくてかっこいい」 ものの自慢をしてくれたが、それが何であるか最後までちっともわからなかった。晩ご飯はJ坊、T坊、ニッツァピッツァと酒と寿司@Ebisu。
 
室内で冬を越したガーリックチャイブは手間をかけているわりに貧相だが、冬の間も外にだしっぱなしだった同じ苗は「野生のニラ!」といった趣。過保護はいけんね。 元気じゃよ、王様ガエル。お嫁さんがほしいのう。
 
2007.5.9 (Wed) in NY    ★★★

NYに遊びに来た作家の宇佐美遊さんとドラッグクイーンのお店で中華料理をたべる@ラッキーチェン。初対面でいきなりドラッグクイーンだ。ディープだが、楽しい。しかし。ゴージャスなクイーンたちのおかしなトークを聞いていたはずが、 なぜだか私はど派手衣装を身につけ、他の客たちと店内をランウェイ・ウォークする羽目に…。客席で宇佐美さん、携帯でにこにこ写真を撮っておられる。撮ってないで、た、たすけて…。 この有無をいわさぬ雰囲気は、と思い出す。石垣島で、平和に島唄を聞きにいったはずがへんてこな衣装にゴム面までつけさせられ、気づいたらステージで踊らされていたのとおんなじ。 世のなか、ほんになにが起こるかわからんねぇ。あんたらも気ぃつけんさいよ。
 
2007.5.10 (Thu) in NY    ★★★

晩ご飯は天才画家りまじ、天才ダンサーやすこちゃんと天才的にソースが美味しいけれど、時々ゆですぎちゃうパスタの店へ@Max。天才たちは女子高生のように「えーちょっとあんた胸おっきくない?」 「いやーん押してあげてるだけだって!」と語り合っている。仲間にいれてもらった途端、急に「腰痛が」「膝が痛くて」「あたしゃ歯がねぇ」とばあさんの寄り合いのようになった。
 
2007.5.11 (Fri) in NY    ★★

Fedexにががっと文字通り駆け込み、ゲラ送付。マンハッタンで多分いちばん荒んでいそうなFedexゆえ、手渡した後も封筒の行方をじっと見守ってしまう。FedexなのにFedex用封筒を置いてないとこも、ゴミが散らかってるとこも、立派な荒みぶり。 果たして無事に荷物が届くか不安になる場所なのだ。就寝前の「Odd Couple」観、三日目。寝る前にとぼけた話を観るせいか、最近見る夢もかなりとぼけている。 でも昨夜は夢のなかの居酒屋で、夢のなかの冷酒を堪能した。きちんと美味しくてお得な気分。歯医者前までは毎日悪夢をみていたので余計にやすらか。
 
2007.5.12 (Sat) in NY    ★★★

午後目覚まし時計を探してチャイナタウンをうろつく。唯一もっている目覚ましはルックスに惹かれてロフトで買ったミニ時計なのだが、これがほとんど最初から壊れている。 アラームのなる時間が3時間ぐらい狂うんだもの。一刻一秒を争うネットオークションにゃまるで使えん。というかそれ以前の問題。
 
昨日は牛肉と3色ピーマン、玉ねぎのオイスターソース炒め、リマ豆入りイエローライス、豆腐とミックスグリーンのサラダ人参ドレッシング。 晩ご飯はクラムソースのパスタ、豆腐サラダ。ホールフーズで買いしケープコッドの冷凍クラム、新鮮だし便利なサイズにカットしてあるし、結構べんりに使えそう。
 
2007.5.13 (Sun) in NY    ★★★

芽がでてきた紫蘇と茗荷の残り、メキシカンセージの植え付け。春菊は順調に育っているが、収穫時期にはNYにいないかもしれない。やっと最近になって春菊食べられるようになったのに悔しいなぁ。 ふと思うが、自分の嫌いな野菜をあえて育てるってのはどうだろう。手塩にかけたら食べられるようになるんじゃないか。でも以前にもらった三つ葉(苦手)の種、結局植えもしなかったっけ…。 なんてこと考えつつ土に石灰を混ぜていたら、ありゃ、鉢穴に敷くネットがない。近所にも売ってないし、日本から買ってきたものは使い切ってしまった。 苦肉の策で向かいの99セントストアに駆け込み、あるものを買って、切って、底に入れた。
 
あるもの…。ふたつで99セント。しかし何をのせているのか、食べ物の写真の下に私は。 茗荷のプランターの鉢穴に、ひっそりと眠るは、四角く切られたハエタタキ。
 
2007.5.14 (Mon) in NY    ★★

明日からの作家レジデンシーのためのパッキング。妹からすかさずメールで「くれぐれも実家にいるときのような格好はしないようにね…」と釘さされる。すわ、困った。 とすると何を着ていいのやら。基本的に日中は一人なのでいいよね、と結局いつものぼろ着を詰めこむ。誰も部屋をノックしてくれぬよう願うばかりじゃ。 虫除けに帽子に日焼け止め、散歩用の歩きやすい靴、おやつに栓抜き…といつもの旅リストを揃えつつ、我に返る。楽しいとこだから一度遊びにおいでよ〜、といわれたわけじゃなく、 長閑な環境で仕事に励んでください、といわれたんだっけ。ちょうど香港から届いたビーズも詰めたくなるが、さすがに部屋でジュエリー作りしてたらまずいよな、と諦める。 晩ご飯はにんにくたっぷりのハンガーステーキと焼きアーティチョークにブルーチーズをのせたもの@Alias。前菜の生のケールにカラントと松の実とパルメジャンチーズをあわせたものがとても美味しい。 親切なウェイターさんがコツを教えてくれたことにゃ、レモンを絞った水にケールを漬けてから刻むのだとか。ほほう今度真似してみよう。
 
昨日は親方が豚肉を焼いた。お題のように豚の塊を渡し「これでなんとかしておくんなせい」と拝んだら、ハーブとにんにく風味の西洋焼き豚とクスクスを作ってくれた。 なにかと便利なにんにくマヨネーズ。困ったら野菜を蒸すかゆでるかして、これを横にポン、と。
 

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