お ひ る ね 日 記
Feb 2007 (1) 

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2007.2.1 (Thu) in NY    ★★

本日もケールを買いて、ゆでだめ。スーパーでマダム風の年配女性に「それ、そのカール?どうやって食べるのかしら?」と上品に訊かれる。 「え(ケールだよ)、私もよく解らないんですが、ゆでてからベーコンと炒めたり、レモンとオリーブオイルであえたり?(尻上がり)」と、しどろもどろに答える。 マダムは納得した顔で「今度絶対買ってみるわ(今じゃないのか)」と去っていった。人生でケール買い三度目の私に食べ方を訊くのは、旅行先で観光客に道を訊くようなものかと。 ケールって、よく解らないながらもいかにも「私を食べてごらん、栄養あるよお」と手招いている風情の野菜だ。私も手招かれた。
 
ケール街道ばく進中。またいつものように、思い切りつづけてそのうちぱたりと飽きるような気もするので、今のうちに食べとこう…。 手抜き晩ご飯はケールの茎を細かく切ったものやオクラ、枝豆を足したキャンベルのガンボ・スープ。白菜サラダ、ウィングスの残り三本。菜っぱ日和じゃった。
 
2007.2.2 (Fri) in NY    ★★

本日もスーパーで話しかけられる。私はほんによく女の人(とくに年配)に声をかけられる。かっこいい殿方は皆無だが。バナナ売り場でおばあさん、唐突に「酷い、ここのバナナは酷すぎるわ、ねぇ?」と同意を求めてきた。 ものすごく怒ってる風だ。その通りですよね、とうなずく。おばあさんいわく「今日食べなくてもいい、という人は熟れていないバナナのほうを買い、熟れるまで待つべき」 私は、「でも先日、”遂に熟れずじまいのバナナ”ってものにあたっちゃったんですよね」と言いたかったが、長くなるのでまたうなずくのみ。 このスーパーはヒスパニック系のお客が多いので、バナナが食生活においてかなり重要な位置をしめるのであろう。さてもバナナに関してじっくり考えた日じゃった。
 
晩ご飯の豚のビビンバふう。 ケールのレモン風味サラダ。ケールはゆでてから水を絞り、オリーブオイルと塩、たっぷり黒胡椒をひいて、かりかりベーコンじっくり焼いたにんにくとレモン汁をまぜまぜ。
 
2007.2.3 (Sat) in NY    ★★

グリンジャーというキカイダーみたいな名の電気屋に行く@E.Village。狭い店内に冷蔵庫やレンジやオーブンがぎっしり。どれもみな同じに見えるが、どうしてサブゼロという冷蔵庫は他のメーカーよりぐんと高いのだろう。 何か秘密があるのだろうか。でもうちのいかにも安物という風の冷蔵庫でも、氷が溶けたり、物が腐ったりしないので、よしとする。本日の映画;「Frenzy」 ヒッチコックが創るのは物語というより空気だ。サスペンスという空気感。そこに悪そうな顔のひとも散らばらせ、自分もちょこっと出たりして、楽しそうだ。手塚治虫ならファンタジーという空気か。吸い込ませてくれてありがとうという気分だ。
 
2007.2.4 (Sun) in NY    ★★★

近所のちいさなジューイッシュフードの店に入ってみる。このての見慣れない惣菜屋さんは興味津々なのだが、やや態度がまごついてしまう。 お客はその食べ物のことを知りつくした常連さん(もちろんユダヤ人)ばかりだし、珍しい食べものは宗教的祝祭に基づいた物も多いから。 パスオーバーの意味も知らぬ無宗教日本人の私は、いちげんさん気分でパスタを固めたケーキみたいなのを買う。食べてみたらそのまんまだった。卵で固めたパスタ。おやつにしてはヘヴィーすぎた。
 
パスタケーキ風のヌードル・クーゲル。ううむ、麺がおやつという年代はとうに越えたと思われるのだが…。 晩ご飯は鶉のスパイス焼き、カリフラワーピクルス、ローストベイビーポテト、ベイビースピナッチと玉ねぎサラダ。ベイビーベイビー、赤ちゃん野菜はうまいよ。
 
2007.2.5 (Mon) in NY    ★★

今朝の気温は零下13度。ただし風が強いので体感温度は零下21度らしい。とほほ、既にどちらでも変わらぬ寒さ。隙間風用テープを手に家のなかをうろうろ。 ちなみに華氏と摂氏、-40で一致するという事実をはじめて知る。-40度までいけば面倒な変換表など使わずにすんで便利ってものだ。が、いくら便利でも寒すぎってものだ。 晩ご飯は海老ワンタン麺(白菜、ネギ)、枝豆と揚げ、人参入り切干大根、カリフラワーピクルス、キムチ。
 
2007.2.6 (Tue) in NY    ★★★

ポール・オースターの新刊イベントにわくわくと出向く@バーンズ&ノーブル。NY中のオースター・ファンが集ったと見え、広い店内は人でぎっしり。うう、ちびの私にゃオースターさんのお顔がちらとしか見えぬでないか。 仕方なく目を閉じ、彼が低い声で読み語る「Travels in the Scriptorium」の世界に耳かたむける。小部屋で自分の存在自体にぼうぜんとする男の姿がぼうっとうかんできた。 美しいシンガーの娘さんも登場し、歌を披露。創作者の顔と娘にめろめろな父親の顔、両方見られて幸運じゃった。しかし司会の女性は作家の答えなどどうでもいいかのように、唐突に彼の言葉をたびたび中断させながら進行させていたのがなんだか気の毒だった。 いくらオンエアされるといってもなんだかなぁ。いかにもインタビューなど苦手そうなオースターさんが今にも貝のように口をぱくりと閉じてしまうのじゃないかと、ひやひやする。 しかし大人の彼はそんな真似はせず、答えをぷつりと切られようとも淡々と自分の世界を表現しておられた。
 
晩ご飯は久々に肉!肉のかたまり!@アンジェロ&マキシー・ステーキハウス。巨大なリブアイ、2/3は持ち帰ったのでコストパフォーマンスはよいと思われる。 肉より美味しかったのが、ガーリックマッシュポテト。かりかりの玉ねぎと、にんにく風味のじゃがいも。どうしてこんなにとろーりとできるのだろう…。
コレステロールを気にするT坊J坊はそろって脂肪のすくないフィレミニヨン(でもあれだけビール飲んでりゃ、もとのもくあみ)。 コレステロールを気にするくせに男たちが食べたチョコケーキ。一口だけもらったけれど、濃厚な甘さ。
 
2007.2.7 (Wed) in NY    ★★★

プロードウェイにメリー・ポピンズを観に行く。本のなかのポピンズはもっとずっと意地悪な皮肉屋で毅然としてるんじゃがな(作者のP.L.トラヴァースそのもののように)、とか。 本筋はこういう解りやすい家族愛とは違うんじゃよ。などと頑固爺的感想をぶつくさ心で唱えつつも、最後には素直に感動していた。このポピンズさんも十分魅力的だった。 客席の上を例のパラソルで飛んでいくマント姿を見上げたときは、不覚にもうるうるきた。売店で買ってもらったオリジナル装丁版(素晴らしい)の本を大事に抱え、楽しいことが終わってしまってぽかんとする、 子どもの頃の心もちになって地下鉄で帰った。
 
劇場に行く前にシーフードで腹ごしらえ@ブルー・フィン。クラブケーキはつなぎなしのほとんど蟹!フリセとグレープフルーツのサラダもおいしゅうござんした。 車えびのせリゾットはこれでアペタイザー! メインはお寿司にしたが、この店で洋風魚介料理でなく寿司を(お箸で)食べているのは私ひとり、しかも東洋人見当たらず。
 
2007.2.8 (Thu) in NY    ★★

朝からドアベル鳴る。風呂上りのメドゥーサか落ち武者のごとき髪に、「さすがにこれはないよな」と最近始めたローションパックのコットンだけは慌ててはずし、扉を開ける。 UPSのお兄さんは明らかにひきながら目をそらし、「署名お願いします」。あとで鏡を見ると、ほっぺたにコットンの屑が…。配達員は冷静さを鍛えられる職種とみた。 荷物は双葉社のSさんからのお誕生日祝い。チョコレートと、読みたいなと思っていた平松洋子さんの本だ。わあい、本(と食べ物)をいただくのが私にはなんといっても一番の幸せ。 そして夕方には郵便受けにマガジンハウスの封筒。たくさんのウフ!と「匂いをかがれるかぐや姫」の本が! にやにやウフウフしつつ頁をめくる。S町さん、S谷さん、本当にありがとうございます。…それにしても本当に効くのかローションパック。
 
可愛い箱は抹茶黒ごまのクランチチョコ。甘いものは苦手といいつつ、抹茶系黒ゴマ系は大好物なので、すぐに開けてむしゃむしゃいただいてしもうた。 晩ご飯はラムひき肉、ひよこ豆、マッシュルーム、オクラのカレー。切り干し大根(油揚げと人参)、カリフラワーピクルスとラッキョウ、ほうれん草胡麻和え。
 
2007.2.9 (Fri) in NY    ★★

英語のプロフィールを送ってほしいという依頼に奮闘。英語の自己紹介なるものを考えれば書いたことがなかった(HPのいい加減な英語版をぬかして)。 どんなものかとサイトなど色々見てみれば、これが結構大げさ。彼女は○○に渡り、△にために偉大なる貢献をし、名誉あるな○△を授かった、みたいな。 こっちの雑誌の出会い欄も、そこまで自分を褒めていいのか!? 実物を見たときにがっかりされるのが怖くないのか?という文ばかりだしなぁ。 影響され、脳内でつい大げさモードで展開される表現を1/10くらいに縮小変換し、さっさか送り、なかったことにする。 どこかで私の英文プロフィールを見た方ご勘弁を。「匂いをかがれるかぐや姫」みたいなすっとんきょうなことになってるやもしれません。 さて明日からのセント・マーティン旅行に備え、荷造りだ。例のごとく蚊よけ関連グッズに重きをおいて。
 
2007.2.10 (Sat) in St.Martin    ★★

セント・マーティン島に向け出発。去年のバルバドス島行きは、吹雪のせいで二日も欠航になり、予定変更に大騒ぎだったが、今年は無事、空港に到着…。とほっとしたのもつかの間。 ターミナルが何度も変更になり広い空港内をたらい回しになったあげく出発は3時間遅れ。乗ってからもあまりの寒さにエンジンがかからず、何とか手動でがんばってます〜とのアナウンスに、乗客皆不安げな顔になりつつさらに1時間。 ようやくフィリップスバーグ空港にたどり着くと、予約していたレンタカー会社は既に店じまいの後じゃった。どうにか宿にたどり着き、ここはほんにカリブか? 暗くてよう解らん…と、生ぬるい闇の底でため息をつく。みあげれば夜空に星いっぱい。ああここはほんにカリブしゃ。
 
晩ご飯を食べにでるも、ほとんどの店がキッチンを締めている状態。ようやく見つけたベルギー系のお店でムール貝ワイン蒸し。小粒だけど、ぷりぷりで味が濃い! こちらは親方のサーモンの帆立詰め、ロブスターソース。自分のフレンチフライをひとのお皿のソースにつけて食べる私…。
 
2007.2.11 (Sun) in St.Martin    ★★★

セント・マーティン島でまたひとつ年をとる。澄んだ海と椰子がなによりの誕生日の贈り物、と思うも果てしなき人間の欲望。何かおフランスっぽくて可愛い物はないかとつい土産物屋を覗いてしまう。 フランスっぽいというより南国っぽい物ばかり。浜辺にはトップレスのフランス女性がちらほら。日本人は温泉では脱ぐが、浜では脱がんのじゃ。ひとりごちていると、全裸の初老カップルが目の前を通り過ぎた。 この浜は一応全裸禁止の札がでているが、近くのヌーディストビーチから流れてきたらしい。ひー、と、たぷたぷ腹の全裸おじさんから目をそらす。夕方から車で10分のグランド・ケースの町にGo。 この島は半分オランダ領、半分フランス領だが、フランス領のどこがいいかって何を食べても美味しいところ。とくにこのグランド・ケースはレストラン通りと呼ばれるほどレベルの高い店が集まっているとか。 オランダ領では「さあ賭けるぞ」と気合を入れる人が多いのだろうが(カジノが多い)、私は「さあ食うぞ」と気合入れ。
 
晩ご飯は評判のいい店を念入りに下調べしていったので、どれも大正解(こんなところだけマメ)。今晩はグランド・ケースのBistro Caraibe。これはエスカルゴの茸ソース。 ハンバーガーみたいに見えるが、パフにはさまれたフォアグラにマンゴーのソースを添えたものざんす。幸せすぎる肝の味。肝にはなぜかざます言葉があうざます。
茸好きの親方は鶏とマッシュルームのリゾット。濃厚な味が米の一粒一粒にしみこんでいる。鶏の味も違う。リゾット名人の親方、めらめらライバル心を燃やしており。 シーバスの香草グリル。ローズマリーとタイムの香りが移って美味しかったが、もう少し表面が焦げていればなぁ。と焼き魚好き日本人は難癖をつけるのじゃった。
 
2007.2.12 (Mon) in St.Martin    ★★★

フランス側の首都、マリゴを探索。ナリーナ沿いに高級な宝飾店がずらずら並んでいる。宝石にゃ縁がないので、目についたヘア・アクセサリーの店など覗いてみる。 するとヘア・スタイリストらしき店主のおじさんにむんずと髪をつかまれ、有無をいわさぬ早業で髪をシニヨンに結われてしまった。い、痛いです、そんなに引っ張ると…。 おじさんお構いなし。髪につけた高級な髪飾りを買えぜひ買えシルブプレということらしい。仕方なく髪を縛るへんなゴムと安いほうの髪飾りを買い、マダムなシニヨン頭で店をでる。 ビーチもそのままだんご頭で通したが、これは寝転がるときにだんごが当たってなかなか不便なものである。
 
晩ご飯は浜辺のビキニ・バーといういかにも軽いノリのビーチバーで。店のオーナーはタイ贔屓らしく、メニューはニクいタイ・エッセンス入り。私はこんがり焼けたリブ。 美味しいフレンチもたくさん食べたのに、最後まで親方を「しかしあのカレーはうまかった」と唸らせたタイ・ビーフカレー。確かに今まで食べたタイ・カレーで一番の味。
なにゆえ砂浜に仏像が。ああそうかここはオリエントビーチだから?と納得するも、むろん拝んでいるひとなどおらず。 近くの丘の上から見た海。今まで見たカリブの海の綺麗さのなかでも、タークス&ケイコス、トバゴと並んで上位3位に入りそうなオリエント・ビーチのエメラルド色。
 
2007.2.13 (Tue) in St.Martin    ★★★

昼間は海とプール。夕方からグランド・ケースへ。毎週火曜の夕はミニ・カーニバルが行われると聞いたので。マルディグラの狂騒と原色衣装のダンサーが練り歩くパレードを想定してわくわく出向くも、この地味な雰囲気は…。 カーニバルというより限りなくストリートフェアという趣。それも大通りのでなく、ご近所内の区画パーティーのノリだ。これはこれでこじんまりと楽しいが。 フランスから移住してきました風なご夫婦の屋台であれこれ試食した挙句、絶品のアーティチョークのディップを買いこむ。晩ご飯は通通りのはずれにあるLOLOへ。 ロバではなくロロ。J.LOでもなくロロ。屋台食堂の意味らしい。クレオールのスパイスでグリルした魚も肉も、驚くほど絶妙な焼き具合。手づかみでむしゃむしゃ食べた。
 
ロロのなかでも一番人気Talk of the townでグリル・ロブスター。見た目グロテスクだが、この不気味な緑のミソのところが一番の好物。身はなしで頭だけでいいほど。 親方はリブとチキンのグリル・プラッター。すごく上手にスモークしてあるらしく、香ばしいにおいが通りに充満。BBQ達者なアメリカ人たちがそこここで唸っており。
昨日のお昼にマリゴで食べたキッシュ。外さっくり中しっとりで美味しかった。クロワッサン、バゲット、キッシュ、クレープ何をとってもフランス人というのは上手に焼くなあ。 週はじめの浜辺はひとがすくない。スリーピービーチ。いい気分で昼寝しすぎると、パラソルからはみでた部分だけ中途半端に日焼けする羽目に(経験談)。
 
2007.2.14 (Wed) in St.Martin    ★★★

美味しいものと海でだんだん頭がふやけてきた。脳みそまでとろけたー脊髄までしびれたーという曲が昔あったが、ここはナイアガラのトライアングルではなくオリエントの浜辺なのじゃった。 ふやけすぎてもあれなので、動物園に行ってみることに。熱帯の動物園って、陽射しの下で動物もだれていて、ひとも少なく、けだるいところがいい。 ひとのいいおっさんみたいな顔のお猿コットントップ・タマリン(顔に真っ白い綿みたいな毛がはえている)、黄金色に輝く毛並みだが顔は妙に地味なお猿ゴールデンライオン・タマリン、しなやかな山猫のオセロットなどが気にいる。 インコ好きとしては様々な種類のインコを見れたのも大満足。喋るインコに「ビールください、焼き鳥ください!」と覚えさせようと何度も呼びかけるも(日本語)「アロー」と返ってくるばかり。つかえん。
 
晩ご飯はグランド・ケースのLe Cottageへ。綺麗な色のグリーンピーのスープ。 痛風になってもいいから毎日食べたいフォアグラ。しかもこの寛大な大きさ! ビーツとブルーベリーのほのかに甘いチャツネとの相性もよし。
親方は山鳩のグリル。鳩…しかもミディアムレア…と怪しい目で眺めたが、試食してびっくり。柔らかでふくよかな野生の鳥の味。そこらの公園の鳩とはどうにも違うようだ。当たり前か。 うずらのグリル、ロブスターのリゾット添え。うずらもよかったが、ロブスターの卵がつぶつぶ入ったようなリゾットがまたよろし。結局魚の卵とか肝とかみそが好きなのだ。
 

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