OHIRUNE Diary Nov 2006(1)


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2006.11.1 (Wed) in Koenji    ★★★

三鷹の森ジブリ美術館へ。ここはジブリ好きだけでなく、漫画やアニメが好きな人には目がきらきらうるむ場所。ジブリ初心者の私もすかさずうるんだ。なんでも触っていいよー、手にとって見てってねーという太っ腹な姿勢もいい。 ここを観た後ではなんと他の美術館がいばって見えることか。触んなよ、えらいんだから!といってそうな。しかし小心者の私は、壁一面に無造作にピンでとめてある宮崎監督のラフスケッチを見て、思わず「これ本物ですか?」と訊ねてしもうた。 館内のお姉さんがやさしく「いえコピーですよ」。ほっ。寛大すぎるのも今の世、ナンですから。親方は妖怪No Nameのピンバッヂを買った。ツウな選択だと褒める。 帰りは中野で降りてまんだらけへ。電気街にまんだらけにジブリ。年一度の帰国で他にもっと行くとこないの!? と風の谷から声がする。でもそれはどこどこ。晩ご飯は焼き鳥たっぷり@宮川。
 
2006.11.2 (Thu) in Koenji    ★★★

高円寺を北に南に線路沿いに、くまなく放射状に散歩する。昔、友達が住んでいた路地奥のアパートも探し当て、証拠写真を撮った(なんの?)。 今の世じゃ天然記念物のごとき古めかしいアパートは、タイ人っぽい名前がずらずらとポストの脇に書かれていた。「まだあったよ、かすみ荘!」とメールすると、 「まだあったか!」と驚きの返信すぐさま。晩ご飯は焼肉たっぷり@JoTo。カルビ、ゲタカルビ、野菜焼き。ノドブエなるものも食べたが、内臓ってちょっとを皆で分けるからいいんだな。 一人ノドブエ一気食いは、胃がきゅーと悲鳴をあげ消化してそう。
 
2006.11.3 (Fri) in Koenji    ★★

親方NYへ一足先に帰郷。今日の日はさよーならーと成田エクスプレスを見送った足で美容院へ。ああ失敗した。冒険心をだすのじゃなかった。 こんな場所で働いてらんないわよ、毎日うんざりよ、というヘアスタイリスト嬢の暗くさみしい怨念が、髪の毛を通じてじっとり伝わってきそうで怖かった。キューティクル、吸い取られたかんじ。 ずっしり疲れ果て実家へ。母に「どうこの髪?へんだよね?」と訊くと、「そんなもんじゃない?」とつれない返事。ほっとしたような空しいような。 晩ご飯は焼きさんま、ブロッコリごまあえ、水菜とトマトサラダ、明太子。
 
2006.11.4 (Sat) in Koenji    ★★★

風邪っぽい。子どもたちでひしめいていたジブリで移されたに違いない。あらゆる種類の風邪菌が飛び交っていそうな場所だったもの。晩は、出版社時代の仲間とのみ会@都夏。 ひとりが社長になった以外(一番なりそうになかったのが)、全員きっぱりやめている、もしくはクビになっているというのもすごい。私は…半クビ、いやあれは全クビだったのか。 真実は時のかなたよ。でも当時の私の素行を誰に話しても「そりゃオレが社長でもクビにする!」という反応なので、別に恨んじゃないさ(何様)。卵焼き、ぶり刺、鰯刺、しめ鯖、たらこと若竹煮など奪い合って食べる。
 
2006.11.5 (Sun) in Koenji    ★★

いよいよ風邪。NYから土産用にと買ってきたエアボーンを友達に心で謝りつつ飲んだ。しかしこれは予防用だからもう遅い気も。懐かしい粉ジュースを炭酸で割ったような味。 午後、生協へ母と散歩。晩ご飯はから揚げ、水菜とうずら豆とかぼちゃのサラダ。伊豆土産のからすみ。 からすみ、かつてこれほど包丁さばきに集中力をかたむけたことはあったろうか、という真剣な面持ちで薄く、薄〜く切る。
 
2006.11.6 (Mon) in Koenji    ★★★

実家の階段で転び、したたかに脛を打撲。いいい痛いぃぃ。せっかく治った右足、またも瞬く間に腫れてくる。受難の右足。夕、ポプラ社の関連会社に出向き、アウルエージェンシーの方に紹介していただく。 NYで世界の作家たちが集まるレジデンスのお話をうかがう。すごく興味をひかれるも、人見知りで怠け者の自分が知らない人々と何日も暮らすという絵柄がどうにも浮かんでこないのだった。 物怖じおじ…と場を辞して、下北沢へ。大学時代の友人たちと飲む飲む。こちらは物怖じまるでなし。初めて行った店の料理がことごとく美味しかった@虎の子。 ぶんさんはすかさず電話番号を携帯に打ち込んでいた。そうかー携帯ってそんな使い方があるんだ。鯛刺し、じゃがいものゴルゴンゾーラソース、とろ馬刺し。 ミョウガの生ハム焼き&みそ焼き。ああ愛しのミョウガよ、次の帰国までさようなら。いつものようにまだまだ居残る皆を残し、一人小田急線の終電に飛び乗る。 実家から通っていた大学時代を思いだす。後ろ髪ひかれつづけてウン十年だ。
 
2006.11.7 (Tue) in Koenji    ★★

今回の帰国は沖縄と伊豆旅行もあって、会いたいひと全員には到底会えずじまいだった。しごと関係で会った方々も、しばらくは期待に応えられないことがほとんど。 応えられないくせに栗タルトやしめ鯖をぺろりといただいてしまい、申し訳なかった。一宿一飯の恩義、果たせぬ拙者がなさけのうて(泊めてもらってないか)。 誰もかれもと欲張って会うのはもうやめよう、一年分を数日に凝縮しようとするのがそもそも不可能なのだ。かわりに縁あって会えたひととの時間は、かみしめるように過ごそう。 そんなことを風邪で弱った心で、ぼやぼや誓う。晩ご飯は牡蠣鍋(牡蠣、鶏肉、舞茸、春菊、エノキ、白滝)。
 
2006.11.8 (Wed) in Koenji   

どう考えても明日、飛行機に乗れるような気がしないので、何度も航空会社に電話するも、変更の空きは相当先までないらしい。かわりに夕、ドラッグストアへ。 じっくりと箱を吟味し、一番成分の強い咳止めを買う。レジでお金を払った瞬間に30%は治った気がする。ケミカル系の風邪薬を飲んだときのあの激しい胃痛にも身構える。 晩ご飯は、焼き鯖(これが今年最後か)、わかめとわけぎのぬた、春菊ごまあえ。
 
2006.11.9 (Thu) in NY    ★★

へろへろになって帰宅。咳、夜中もとまらず。加えて予想通りの胃痛。晩ご飯は、冷凍庫のなかで眠っていたなまずのケイジャンスパイス焼き、クレソンとエンダイブと赤ピーマンのサラダ。
 
2006.11.10 (Fri) in NY    ★★

新しいラップトップを持って帰ってきたはいいが、データの移行に四苦八苦。今まで入ってたフォントはどこいったんだ。おーいフォント!と呼んでも、でてこない。 晩ご飯は、にんにくの芽と海老炒め、グリンピー入りイエローライス、白いんげん豆とクレソンの温サラダ。就寝前にひさびさの「宇宙家族ロビンソン」観。 サイケな70'sの音楽がかかるとつい踊りだしてしまい、口癖は「グルービン!」という子どもたちの住む星。あまりにとぼけた話に、時差ぼけも忘れへなへなと見入ってしまう。
 
2006.11.11 (Sat) in NY   

時差ぼけと風邪のダブル攻撃。あえなく屈する。喉痛に、先日打ちつけた足も相当痛い。腫れがひいたらへこんでしまったが、これってこのままなのだろうか…。 足の一部がへこんでいるなんて、腫れているより変な気もする。しかも夜更けに腹痛でみもだえ。風邪薬で胃腸が弱っているのに加え、がっついてスープのおかわりをしたせいだ。
 
晩ごはんは、親方が作ってくれた白いんげんとたんぽぽの葉、鶏肉、ターニップ、パセリ、にんにく入りのスープ。おろしたペコリーノチーズをかけて食べたら、うまし。 ざるのなかのラズベリー。なかなかいい語感。
 
2006.11.12 (Sun) in NY    ★★

咳で寝不足。電話で友達と話したら、むこうもすごい咳。げんき…ごほっ、ごほ、…になったら、ちょっとごめん。ごほ、あおうね。と、約束するまで数十秒かかる。 晩ごはんはポークチョップと芽きゃべつのチーズ焼き、ナンブレッド。
 
2006.11.13 (Mon) in NY    ★★

おしごと再開。自分がどうやってものがたりを書いていたのかまるで要領がつかめず。暗中模索、茫然自失たぁこのことだ。旅は楽しいが、日常へのリセットが結構大変だ。 移動中やホテルでも淡々と自分のペースを崩さず創作できるひとはすごいなあ。自分の空間を身にまとい移動できるなんて。根性がないので早々に切り上げ外にでる。 湿った路上に、いろいろな形の葉っぱがおちている。アメリカの落ち葉は日本のそれより絶対おおきい。拾い心がむくむくとわくが、ぐっとこらえた。 晩ごはんは麻婆春雨、たんぽぽの葉の煮びたし。
 
2006.11.14 (Tue) in NY    ★★

ようやく少しだけ書き方をおもいだす。おそるおそるシャーペンを握るその姿は、原始のおサル。午後、しなしなよれよれになっていた鉢植えのガーリックチャイブに散髪をほどこす。 お客さん、きれいになったよお、と語りかけつつ。ミントは元気すぎ。違法移民アイビーさんは持ちこたえられないかもしれない。哀しいが、魂だけでも祖国に帰っとくれ。 晩ご飯はセロリサラダ、筍と竹輪、人参の煮物。チャイナタウンで買った、皮がふかふか分厚い焼き餃子。
 

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