OHIRUNE Diary October 2005(2)


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2005.10.15 (Sat) in Ebina    ★★

書店用POP作り。姪っ子に借りたカラーマーカー、インクがほとんどないのでシャカシャカ振りながら描く書く。描くより振ってるほうが長い。画材は全部NYに置いてきたゆえ、実家には何もないのだ。 ついでに着の身着のままで帰ってきたゆえ、ろくな服もない。編集S町さんのメールに「月曜のアンアンの取材、なるべくお洒落してきてくださいね」とさりげないお達し(行間に不安漂う)が添えてあり。 「やっぱり健康サンダルに靴下はダメかな?」と周りに聞くと、皆勢いよく首を横にふる。昔、新人賞の授賞式のときに私の髪を見た編集さんが、慌てて(しかも無言で)コンビニに整髪料を買いに走った。 あのときの申し訳ないような情けない気持ちが多少よみがえるも、今となっちゃどうしようもない…。静かな諦めの境地に浸りて、窓の外を見る。
 
2005.10.16 (Sun) in Ebina    ★★★

三平と町田へGo。ダイコクドラッグ、マツキヨと回り、ずんずんとリュックが重みを増していき。居酒屋で焼き鳥各種、まぐろの味噌包み、大根じゃこサラダ、鶏飯など@鶏彩々。 帰る途中でさっき別れた三平から、「最近の町田、治安悪くてアブないんだって!今カップルが話してた」と携帯メール来。そうなのか…。気づかなかった。やさぐれ町田、かっこいいじゃないか。怖いけど。
 
2005.10.17 (Mon) in Ebina    ★★★

健康サンダルは自粛し、母親の靴を借りて(大きくてばこばこする)出かける。どっちもどっち、という気もするが。アンアン、小説すばるの取材を新宿で終えた後、下北へ。 ぶんと、「牡蠣〜美味しい牡蠣はどこじゃー」と唱えながら、酒&生牡蠣、岩牡蠣@おかってや。ラ・カーニャに場所を移し、さとうきび酒を飲酒。他の友人が私の新刊の話をし始めると、「うへぇー、知ってる分だけはずかしい」と叫ぶぶん。 我も同様。何十年も様々な遍歴を知られている分だけ、うわー、読まんでいい、読まんでくれい、という気持ちと、もっと恥ずかしがらせたるわい、てな開き直りが交差したり。
 
2005.10.18 (Tue) in Ebina    ★★

角川の方々と居酒屋@神田。日本にたまに帰国すると、ありがたくも「何か食べたいものは?」と聞いていただくこともあるが、「ぜひ!居酒屋で!」とリクエストする。 日本の居酒屋文化。素晴らしい。レベルも高し。NYのように「ここはもしや”なんちゃって和食”では…」(しゃぶしゃぶにトマトが入っていたり、天ぷらのタレがウスターソースだったりする)と、びくびくすることもないし。 いいなぁ、居酒屋のある日常、とうっとり。本日の居酒屋も大変素敵だった。念願のからすみや鯨ベーコン、新潟で食べ損ねたのどぐろの塩焼きなど美味しくいただく。のどぐろ。 誰かが魚の口をばかっと開けると、本当に中が黒く、ぐっと吸い込まれそうになり。
 
2005.10.19 (Wed) in Ebina    ★★

日本は情報が溢れかえっている国なんだなぁという印象だったが、実は違う気もしてきた。「情報が溢れかえっている気にさせられる」場所なのだ。NYだってパリだってそれなりの情報はある。 それを摂取しないと「栄養足りてませんわよ!」って心地にさせられる場所。兜をかぶってオフにした。半分だけ。腰がひけつつ、半分覗き見してるところが我ながらセコい。 晩ご飯は春巻き(空気を抜きながら巻くこと!と唱えながら巻く)、ブロッコリのサラダ、茸おろし、たらこ。それにしても新潟から貰ってきた新米は美味しい。 家中で何度も「こんな美味しいのを食べちゃって、普通のに戻るときがツラいよね」と言い合うも、本当はそんなことないのだろう。毎日口に入るものはそれなりに日常や、舌に、沿っていくものなのだ。
 
2005.10.20 (Thu) in Ebina    ★★

午後は御茶ノ水で打ち合わせ@山の上ホテル。大学時代、通い慣れた町のはずなのにやはり迷った。授業をサボッてばかりいた証拠なり。おまけに帰りは御茶ノ水に向かっているはずが、なぜか水道橋に着いてびっくり(その間、道を聞くこと三度)。 狐につままれたような気分。そのまま動揺を隠し、両国へ。理論社Y本さんにちゃんこ鍋屋さんに案内していただく。本の話をしながら、おいしい鶏ちゃんこ。秋の幸福。 勢いに乗り、甘味屋さんで抹茶もなかアイスまで食べ、帰りの小田急線でぐうと寝る。
 
2005.10.21 (Fri) in Ebina    ★★★

一時期、お手伝いさんになる夢を何度か見たが、それは「きょうの猫村さん」に弟子いりするための道先案内だったのではないか。でも怖い主人だとつらいので、私は私のお手伝いさんになろう、ときめる。 昼は妹、母とラーメン@一鵠堂。私もかなりの大食いだが、彼らは私以上。昼から、ラーメンに餃子にごはんときた。帰って来て、母と胃薬を飲む。晩ご飯はさんま、つまみ菜とブロッコリもやしのサラダ、コハダ、明太子。 妹から「食べ過ぎて夕飯はりんごだけにしようかと思ったけど、りんご食べたらすっきりしたので普通に晩ごはん食べちゃった」とメール来。りんごか夕飯、どちらか余分じゃあ…。
 
2005.10.22 (Sat) in Ebina    ★★★

下町生まれのじゅうた&みぃに日暮里、谷中を案内してもらう。繊維問屋街でちりめんのボタンとちりめんループ(カーディガンにつけよう)を入手し、いせ辰で和柄ハンカチを物色し、焼酎が夢のごとく揃っている酒屋で黒糖そらまめを買い。 指をくわえて酒瓶の並ぶ棚を眺めていたら、みぃちゃんが「吉兆宝山」を買ってくれた!うわーい。焼き鳥を食した後、住宅街の不思議なたたずまいの店を「何だろう。料亭?怪しいバー?」と三人で覗き込んでいたら、酩酊気味な女性二人に拉致された。 「お友達のお店なのよー、いい店よーいらっしゃーい」気づけば、女性二人のインド紀行に耳を傾け、かぼすサワーを飲んでおり。下町、おそるべし。でも本当にいいお店だった。 お土産に貰ったいかめしと焼酎をぶらぶらさせ、幸せな気持ちで帰路につき。
 
2005.10.23 (Sun) in Ebina    ★★

Amazonの「カチューシャ」著者名が"中野ともそ"になっていることに気づく。ともそが妙な名のためか、"ともよ"や"ともえ""ともを"など様々な誤植の嵐を、逆に今まで楽しんでいたが。遂に名字まで…。 著者名「中野ともそ」をクリックしても、まるで他の著作が表示されぬところがちょっぴり哀し。まぁ、いいや、私は中野区生まれだし、と自分を慰めたり。 晩ご飯は昨日頂いたいかめし、さんま刺身、豚肉と春菊サラダ、明太子。いかめしがもっちりふっくら美味しいこと。 焼酎も香りよく、「てやんでえ、誤植の一つや二つや百個」と大らかな気持ちになり。
 
2005.10.24 (Mon) in Ebina    ★★★

新刊の打ち上げご飯会@六本木。めひかり焼き、しめ鯖、かんぱち刺、松茸ご飯等に舌鼓打ちつつ、装丁の緒方さんに興味深い話を色々うかがう。 曰く、中身がしっかりしている本は、本当にシンプルな装丁でいいんだ、中身に自信がなけりゃないほど凝るんだな、等々。あうあう、と痛くなった耳をふさいだり。 双葉社S町さん、言いにくそうに、そして哀しげに「ブルータスの記事、小説のタイトル間違ってましたね…」え、え? 言われて気づく。小説のタイトル、漢字を間違えて書いてしまったのだ。 しかも自分の本。これでPOPあわせて漢字の間違い三度目。S町さんの中で私は「漢字だめだめ」人として印象付けられたに違いなし。作家として、というより大人としてどうだかな。
 
2005.10.25 (Tue) in Ebina    ★★★

ところで昨日は六本木の店に志村けんがいたが、誰に話してもどうも反応が薄いのが(へぇ、という声も低っ)逆にあっぱれだ。昼から母と町田へGo。東急で1皿300円のお寿司を食べ、ダイソーで山ほど買い物し、東急ハンズも流し、帰宅。 歩いた歩いた。晩ご飯は海老ワンタン、鯖焼き、エシャロットとベビーコーン山葵醤油、春菊と卵とブロッコリもやしサラダ。少し品数が多いのは父の誕生日だったから。家族合議の末、勝手にプレゼントを省略された気の毒な父。
 
2005.10.26 (Wed) in Ebina    ★★

書店を5店ほど回ってご挨拶し、サイン本を作り、色紙に我を忘れてらららんと絵を描き(色付きマーカーも催促)、合間に写真も撮られ、鯨も食べ、へろへろになったところで、りまじいの伊勢丹の展覧会レセプションに出向く。 締めは、なおちゃんと焼き鳥&レバ刺しに焼酎。長く濃い一日じゃった。しかし色々な書店の方のお話を聞くのは楽しかったな。マラソンに賭ける書店員あり、過労気味で救急車に乗った書店員あり。 私の一日以上にずっと長く濃い書店員の人生見たり。
 
2005.10.27 (Thu) in Ebina    ★★★

集英社の方々と隠密に会食@代々木上原。何が隠密かというと「この店は美味しいのであまり教えたくない」とか「あそこの温泉は湯加減がちょうどよし」など隠密に大人の意見交換というものをしたせいであった。 隠密だけあって、しめじと栗のうに和えやあん肝ステーキ、穴子天ぷらなどどれも舌に幸せな味なり。
 
2005.10.28 (Fri) in Ebina    ★★★

母と海老名駅前散策。ユニクロ&サティをじっくり流す。特に、ユニクロのヒートテック何とか下着というコーナーの前で長い時間を費やしたり。これから戻るNYの寒さを想像するたび、暖かい物を買いたくなるのだ。 お洒落なんてどうでもいい。寒い場所では誰も人の服など見てやしない。日本はさほど寒くないのに、私の勢いにつられ母も買っていた。コーデュロイのパンツも買う。 無料で裾あげをしてくれる日本の店の親切さにいたく感動。お金を払ってもしてくれぬアメリカとは格段の差なり。晩ご飯は餃子、鶏と里芋煮、春菊とブロッコリのサラダ。
 
2005.10.29 (Sat) in Ebina    ★★★

小説すばる新人賞の作家仲間たちによる同窓会@両国ビヤーステーション。タケウチ、セキグチ、ヤマモトさんの作家陣&編集のフジイさん、写真家のカンノさんも乱入。 いきなり竹をノコギリで切り出してその場で酒器作りをし、店の人をぎょっとさせるわ、できた猪口で竹酒は回し飲むわ、大御所写真家にデジカメで現場写真を撮らせるわ、豪華な特注プロレスマスクをかぶりっこしてポーズをとるわ…。 と、およそブンガク的雰囲気からは程遠くも、大変素晴らしく有意義な会であった。集英社の編集さんは「担当編集さん抜きで今度みんなで会うんだー」と明かしたら、「ソ、ソレってなんだかイヤだなぁ…」と怖がっていたが。 みなさん、ぜひまたやろうねぇ!隠密同窓会。
 
2005.10.30 (Sun) in Ebina    ★★

髪を切ろうとするもどこの美容院に行っていいかまるで解らない。美容院がたくさん載っている雑誌を見るうちにますます混乱し、ええぃどこでもいい、目をつぶって指したところ!と思いつつも、それもこの先一年哀しいことになると思い(年に一度しか行かないので)、ぐるぐる頭を抱える。 前髪。きるかきらないか。新しい小説の構想ぐらい難題だ。悩んでいたらNYの親方(日本語勉強中)よりローマ字で「ジカンはちょっとタイヘンです」とメール来。 なんだなんだ何が大変なんだと思ったら、夏時間から冬時間に切り替わり混乱をきたしています、ということらしい。アメリカ人でも大変なのだから、異邦人にはますますジカンちょとタイヘン。 というより単に大層ヤヤコシイ。ややこしい季節時間、やめれ!と西の方角に心で叫ぶ。晩ご飯はさんま焼き、蓮の天ぷら、ブロッコリとアスパラのサラダ、明太子。
 
2005.10.31 (Mon) in Ebina    ★★★

元担当だった集英社K島さんとランチ@山の上ホテル。今はノンノに移った彼女は色艶がよくなり、お洒落になったような。小説誌とファッション誌、どちらの編集者になるかによってその後の人生は大きく左右するのではないか、などと考えたり。 今の私ならおやじ雑誌の名編集者になること請け合いだ。夕はポプラ社の方々と蕎麦に酒@四谷。話しているそばから様々な偶然が重なり、わくわくする本を一冊読みおえたような夜だった。
 

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