OHIRUNE Diary February 2005(1)


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2005.2.1 (Tue) in NY    ★★★

いち日から物事を始めるのが好きな、意外に几帳面なわたくしは、本日から巷で話題のコエンザイムCoQ10というサプリメントを飲み始めることにいたした。三平やりまじい始め、周りでは結構飲んでるQ10。 だが「効いてる?どんな風に?」と問いつめても「さぁ?何となくって感じ?」という語尾上がりな答えしか返ってこぬのが、サプリの世界。十日後、私が聞かれてもきっと同じことを答えるに違いない。それがサプリの世界…。 夕、T坊J坊と火曜には酒を飲もうよの会@麺くい亭。銀だらやジャージャー麺を食したり。ビタミンのかわりにビールばかり飲んでいる男共より、キトサン、Q10、マグネシウムと色々採っている私のほうがひ弱なのはどういうわけで。
 
2005.2.2 (Wed) in NY    ★★★

新しい家の最終契約@ミッドタウン。たくさんの署名をさせられ、キムチ指ますます痛し。日本の印鑑システムが懐かしや。戻ってレゲエ・バー第3話のゲラ見直し。ファックスで何十枚ものゲラが送られてくるたび 「今ここでインクが切れたら…」とドキドキするくせに、次の月のゲラが来るまで買い置きするのを忘れてしまうのだった。とんだニワトリ頭。
 
晩ご飯はジャークチキンのシーズニングで下味をつけた鶏とスナップえんどう炒め、ほうれん草とポテトサラダ、ガカモーレにチップスとどことなく中途半端な熱い国風…。 最近、昼ご飯にいつも食べている不気味な赤い雑炊。炊くとお赤飯のように赤くなる黒米と海草のふのりでなんだか赤〜くなるのだ。一応ヘルシー風っつうことで。
 
2005.2.3 (Thu) in NY    ★★

朝起きたらキムチ指が芋虫のように腫れており。まさかキムチ臭までしてくるんじゃあるまいな。じわじわと色々なストレスに苛まれる日々。 いや苦しんでるのは自分のせいで、誰に苦しめられているわけでもないのだ。慌しい状況をさくさく乗り越えられる怪力がほしい。コエンザイムにはそのような魔法はないのだろうか。人だのみ、サプリだのみ。 夕、イギリス紳士と再びの麺くい亭。紳士も銀だらバター焼きを食べながら、人生の転換を試みようと思案気の顔なり。
 
2005.2.4 (Fri) in NY    ★★★

ペンキ塗りの親方についてペンキだの刷毛だの床に敷くビニールシートだのマスキングテープだの、もっと難しくて便利そうな壁塗りの様々な道具を買いにGo@Home Depot。 刷毛とペンキさえありゃいいと思っていたけど甘かった。直角の場所や細い角っこをうまく塗るためのプロフェッショナルな道具がこの世にこれほど存在するとは! 親方が手にとらなけりゃそれが何の用途かも解らないものだった。まだまだ奥が深いぞ壁塗り職人の世界…。晩ご飯は疲れ果てチャイニーズのテイクアウトで油っこい胡麻鳥と叉焼入り焼き飯。
 
2005.2.5 (Sat) in NY    ★★

新居の名づけてサイバーハウス(今の家がアナログハウスで→その名の通り!&別宅がデジタルハウスなので)に掃除に出向く。これがまた!一見綺麗に見えたその家は、細々したところが恐ろしくきちゃない! 数年住んだだけで、しかも赤ちゃんがいて、どうしてこんなに不潔なことに?というほどの汚れ具合なのだ。冷蔵庫はぐちゃぐちゃ、棚には不気味な染みが点々と…。うおぉ、とおののきながらゴム手袋を装着し掃除。 角田光代さんの「対岸の彼女」に出てくる、急にものすごく汚れた場所の掃除をする羽目になった主人公のごとき気分。油汚れをゴシゴシ擦っていると、「あ、今汚れがとれた!」という瞬間が解る、という一文があったが、その気持ちが解る! あるんです、あ、今汚れがスッポンととれたよね?てな瞬間が。晩ご飯はくたくたになりて、残り物のマッシュルームスープを啜る。
 
2005.2.6 (Sun) in NY    ★★

今日もサイバーハウスの掃除と壁塗り。親方がメインのローラーを使い、小僧っ子の私は、マスキングテープ張りや刷毛で隅っこをさかさかと。「シンナーに気をつけて壁塗んな!」 (byスネークマンショー。ふるッ)なんてノッてる場合じゃない。腰が、膝が、腹が痛い。二日目にしてへろへろ。五十回くらい「引っ越す前に少しは掃除しろよ、元住人!」と叫んだり。 本日は、「椰子のそよ風」なる色と「アテネの緑」なる色のペンキで居間を2トーンに塗る。いい感じ。本日の映画;「Trees Lounge」ブシェミ様の脚本監督主演作品。「ゴーストワールド」といい、あまりにリアルにとほほな男の日常を描くブシェミだが、自分が主演するせいかさりげなく洋服などには気を遣っているよう見受けられた。 晩ご飯は卵、ベーコン、ネギの炒飯。キャベツと沢庵の胡麻和え。
 
2005.2.7 (Mon) in NY    ★★

肉体労働三日目。「椰子のそよ風」色で棚の背面を塗る。マスキングテープ張りも板についてきた。たくさんの棚にライナーも敷いた。不動産屋の話だと前住人の奥さんのほうは、「ウォールストリート・ジャーナルか何かのばりばりキャリアウーマン」だったそう。 それがある日「主婦になろうと決めて」双子の赤ちゃん(と猫2匹)のママになったそうな。そっかー、多分ずっと外に出て働いてきた才女で家事はダメ、あらゆるところに散らばってる胡麻とかシリアルとかインスタント食品を見ると、健康志向のくせに料理は苦手だな! など勝手に推理して遊んだ。晩ご飯はジューイッシュの店でハニーBBQウィングとピクルス、コールスロー@ノアズ・アーク。はりはりの浅漬けピクルスが美味し。
 
2005.2.8 (Tue) in NY    ★★

引越し鬱」や、「冬季鬱」というものがあるらしいが、両方に直面している今、ゆるゆると気分が下降しているのはそのせいか。ちゃんとお湯も出て、暖房も入り、郵便物も盗まれないような場所に越すというのに。 日光に当たるといいらしいが、その日光があまりないのに加え、日光に当たる時間もないのがつらし。夜、J坊&T坊と火曜には酒を飲もうよの会@カントリーカフェ。 可愛らしいフレンチカントリー風レストランで、壁にかかったアンティークの靴の木型を食事中に手にとり、かちかち鳴らしていたJ坊。
 
2005.2.9 (Wed) in NY    ★★

本日もHomeDepotをうろつく。血中DIY度、現在かなり高いっす。ペンキの色見本の前でじっくり悩みすぎ、何が何だか解らなくなった。ペンキ調合のお兄さんが缶の蓋をあけ「こんがり焼いたブリーチーズ」なる色の確認をしてくれるとき、思わず「お、美味しそう…」とつぶやいてしまう。 本当に焼いたブリーチーズのとろ〜っとした感じなんだもん。晩ご飯は、鶏の唐揚げ、キャベツと卵、ネギの胡麻和えサラダ、大豆とひじき煮。
 
2005.2.10 (Thu) in NY    ★★

マスキング・テープはやはり3Mが一番だな、刷毛は安物はだめだ。てな会話を真顔でかわす日々。連日の肉体労働のせいかどうも疲労がずっしり体の奥にたまってちょっとやそっとじゃとれそうもない。 引越し前なのに困った参った。頼むよQ10!友達が次々と猫の写真を送ってくる。そのたびうっとり頬緩め、メールを閉じたのにまた開けてながめてみたり。 今日は三平が撮った近所の木登り猫。まったり〜な顔で枝の上にちょこんといるのが笑った。猫ってかなり自己満足な生き物と見た。晩ご飯は近所の中華飯屋@ニューニュー。ウォーター、と頼んだらワンタンがきた。うまかった。
 
2005.2.11 (Fri) in NY    ★★

誕生日だが、相変わらず午前は脳労働、午後は肉体労働。本日のペンキ塗り;「石畳の中庭」色と「焼いたブリーチーズ」色の2トーンで仕事部屋を塗る。 落ち着いて仕事するというより、チーズとパンを片手に石畳をるららーと歩きたくなる雰囲気。数日前から根回ししておいたせいで、夜は美味しい寿司にありつけた@牛若丸。 ああコハダにサヨリ、感涙。牛若丸のことを説明しようとして英語の語彙が大いに不足していることに気づく。いや日本語でも無理なんだけど。 なくしてがっくりしていたウランちゃんキーホルダーと同じ物を戴き、嬉しや!アメリカでどうやって探したのかと思うと…その苦労に多大な感謝なり。
 
2005.2.12 (Sat) in NY    ★★

浮かない気分の最大要因の一つだった引越し屋選択が終わり、かすかにだが安堵。荷造りは自分の時間や体力との闘い(て、大げさな)だが、人がらみは本当に苦手。 大家とか引越し屋との会話、段取りを考えただけでもや〜と黒い気配が胸を覆ってくる。人が嫌、というより人との段取りが嫌かも。 泉昌之の「ダンドリくん」を読んでもう一度精神の弱点を鍛えなおさねばな(だから、大げさな)。本日のペンキ塗り;「太陽の洪水」なる色でダイニングを塗る。 目指すはイタリアの田舎かカリブの小屋って雰囲気。
 
2005.2.13 (Sun) in NY   

本日の壁塗りは、寝室。塗ってみたら「澄んだ水」なる色は今一歩な水色(パステル好きなおばあちゃんの部屋なる趣。白鳥の置物とか似合いそうな)だったので、焦って「ソナタ」なる色名のペンキと混ぜる。 ふぅ。どうにか落ち着いた色味になったが、途中で足りなくなるんじゃないかとひやひや。色まぜ実験は楽しいが、二度と同じ色が作れないのがスリル満点なり。疲れが最高潮に達し、精神がどうも不安定で荒んでいる…。 いつだってすべてをゼロにできるんだよと自分に言い聞かす。晩ご飯は、狭くてしょぼいがすごく美味しいチキンの店でフライドチキンとフレンチフライ@チェスターチキン。
 
2005.2.14 (Mon) in NY    ★★★

どしゃ降りのバレンタイン・デー。この日はアメリカ人になりすまし、3/14は日本人になることに勝手に決めている。アメリカではバレンタインは男が女にプレゼントする日ゆえ。 あげてもないチョコのお返しをホワイト・デーに要求する怖いもんなしな俺様だ。髪振り乱し爪を黒くして壁塗りや荷造りする日々にほとほと疲れてきたので、ここらでひと休みというところ。 しかし傘をおちょこにし、足元ずぶぬれで台風のような街中を彷徨うのが、果たしてひと休みと呼べるものかどうか……。
 
食生活もめためたな今日この頃、久々に味も見た目も麗しきをいただいたざます@Thalassa。お洒落ギリシャ料理といったところ。これはシープチーズのズッキーニ巻。 ぶどうの葉で何かを包んだもの…何だっけ、忘れた!この記憶力じゃ、絶対にフードライターにはなれっこないな。
海老のラビオリ、かかっているバターナッツ・スクワッシュのソースがこれまた美味しゅうございます。 帆立のまわりにかりかりと焼けたおそば状態のカハティなるものが包んでいて、これが美味しい。ギリシャ料理にはお菓子にも料理にもよく使われるのだけど、鳥の巣のよう。
メインはロブスターテイルの蟹詰めと、やっぱりぱりぱり衣に包まれたシーバスと魚介のソース。 くるみのパイやらチョコムースやらのデザートあれこれ。久々に食べたなぁ、甘いもの。さぁ明日からまた粗食と労働の日々じゃ(涙)。
 

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