OHIRUNE Diary January 2005(2)


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2005.1.15 (Sat) in NY    ★★

ゲラ読みまっただなか。ロシアの切手の件で緊急に知りたいことができたのだが、手下がロシア友達色々に訊いてくれ、問題解決。ありがたやロシアン・コネクション。 それにしてもロシアの切手は、南国とは別の意味で愛らしいものばかり。小さな紙の宝石みたい。こぐまのミーシャの切手なんて貼ってあったら、催促状も請求書も効果なしだろうて。 本日の映画;「My Fat Greek Wedding」ロシアもいいがギリシャもいいね。料理が。
 
2005.1.16 (Sun) in NY   ★★

寒風の中、デランシー通りの安物屋街を見てまわり。店員もお客も「安物売りまっせ」「買いまっせ」道に長けた顔。近くに立ち並ぶのは低所得者住宅。そんな人種&環境の最中にいるとどうにも落ち着くのは人生バーゲンハンターの血か。 晩ご飯はナマズのブラックビーンソースがけ。スナップえんどうとネギのにんにく炒め。コーンブレッド。本日の映画;「Ed TV」 トルーマンショーは知らぬうちに私生活がTVに曝されていた主人公の話だが、これは「曝されてるの知ってます」版だ。曝されて嬉しい人種も、いる。
 
2005.1.17 (Mon) in NY    ★★

ウォーターピッチャーを見事にぱきん!と割ってしまったので、また安物屋に買いに行く。晩ご飯用に「今夜は今夜はKFC〜」と歌いながらチキンも買った。安物屋に日参とKFC。もう人生全体がバーゲン風。 昨日の「Ed TV」の夕飯シーンでも、大家族がいかにも「ディナー」という感じで綺麗にテーブルセッティングされた食卓でKFCを食べていたなぁ。本日の映画;「Cyclo」 Scent of Green Papayaで日常の小さな歓びを溢れさせていた少女が、ここでは救いのない日常を滲ませており。せめてユーモアを、と願わずにいられぬ物語は、けれど限りなくリアル。
 
2005.1.18 (Tue) in NY    ★★

過激で暴力的な寒さのなか、病院へ。ここしばらくまた酷い腹痛が続いているせいで。が、やはり問題はないそうな。うーむ、ドクターに太鼓判押されたこの立派な太鼓腹、どこがいけぬやら。 腹切り手術後は慢性的に苦しむことも多いらしいが、この先これが続くかと思うと泣きたくなってくる。帰りにあまりの寒さにめげてタクシーに乗る。 自称オペラ歌手のおじちゃん運転手と「医者って行っただけで治った気分!」「だよね!」とほがらかに意見交換。おじちゃんは京王プラザでも歌ったそうな。 夜はT坊J坊そしてイギリスからS坊も加わりトルコ料理@ターキッシュキュイジーヌ。ラム・クスクスを半分だけ食。
 
2005.1.19 (Wed) in NY    ★★

雪がちらほら。粉雪って見上げるとかなり自由な動きをしている。ぼたん雪に比べ自由気ままというか。奔放粉雪。日本から唯一(一枚だけ)届いたお年玉年賀はがきの当選番号をネットで調べてみる……ちぇっ! 晩ご飯は親子丼。メスカルンサラダ。スナップえんどうのごま合え。本日の映画;「13 Going on 30」女版トム・ハンクスの「Big」か。 13歳の少女がいきなり30歳のやり手女編集長になってしまうのだが、家に帰ると近所のティーンの女の子たちとパジャマパーティー!というくだりがなんとも可愛い!
 
2005.1.20 (Thu) in NY    ★★★

夕、りまじい&ナッシーとギリシャ飯@Snack。ナッシーは禁酒続行中、りまじいは飲まないので、一人開きかけのワインボトルを持参。するとその店はしばらく来ないうちにリカーライセンスを収得し、酒持込は禁止となっていた。 グラスワインを頼み、自分の瓶は持ち帰る。ちょっぴり空しいの。鞄の重みが。世の嫌煙ブームを尻目に「世界中が吸わなくなっても俺は吸うね!」と逆に張り切る人もいるが、本当はそんなのは稀で皆ちょっぴり淋しいに違いない。 待って、おいてくなよ、と…。ソッチがどう見ても「正しそうな」世界だからこそ。国ごと禁煙となってしまったブータンの喫煙者などさぞツラかろう。
 
2005.1.21 (Fri) in NY    ★★★

理論社Y本さんから、新しい本の装丁案届く。文庫本に続き、またまた池田進吾さんにお願いできて嬉しいよう!しかも雰囲気は大好きなマドレーヌの絵本のよう。 あどけなさとプリミティブな勢いの混じる北村友紀さんの絵と、懐かしい味の池田さんの書き文字タイトル。嬉しくにやにやと何度もながめる。 ところで昨日キムチの瓶を開けるときにひねった右手の指が、見る間に腫れてきて大層痛い。つき指状態か。同情を引こうとTPに言うと、「キムチ…せめてシャンパンの瓶だったらよかったのに」と、つぶやかれた。
 
棚の上に並ぶのは使用済みキムチの瓶、洗って乾物入れなどにしており(これだけ食べれば突き指もするって?)。下はお気に入り入れ子の缶。お茶など収納。 本文とはまるで関係のない我が部屋のミニミニ・キューバン・コーナー。貝のじゃらじゃらは、サニベル島で買ったのはいいが使い道のないポットハンガー(泣)。
 
2005.1.22 (Sat) in NY    ★★

大雪。近所の屋内スパニッシュ市場でリーク、じゃがいも等買い、ポテトリーク・スープ作り。一度この市場で写真を撮ろうとして「写真ダメ!」と怒られたことがあるが、それ以来「何かが怪しいに違いない。 店員?(不法移民か)もしやこの野菜は不法輸入?」など勘ぐりながら見て歩くのが楽し。夜になり、街灯の下の雪の動きがよく見える部分にじっと目を凝らす。しんしん、なんてとんでもない。雪がごぅぅとはしゃいでおり。 本日の映画;「赤の愛」ポーランドのキェシロフスキ監督の遺作トリコロール三部作。 赤に象徴される博愛が、孤独な初老の心を癒し、ゆらす様が静謐に描かれており。順番を変えて観るたび印象が違うから、他の色二作もまた観直さねば。
 
昨日の晩ご飯は、中華三昧四川味の上に、スモークダックの身をほぐしてモヤシ、ネギ、筍と豆板醤、ごま油で炒めたもののせ。 本日の昼ご飯のチャーハン。昨日の残りのスモークダックを入れたらうまい、うまい。
 
2005.1.23 (Sun) in NY    ★★

いったん知ってしまったら、もう後戻りできぬもの。それはパンツの下に履くタイツ。道端商売以降しばらく履いていなかったダマールのモモヒキ、この零下続きの気温で遂に登場とあいなった。かぁぁ、あったけえ。 これで怖いものなしだよおやっさん。にしてもダマールのアメリカ撤退はかなり悔やまれるな。日本で注文しても、サイズが合わずに返品する際に困るしなぁ。というわけで新たなる強力サーマル下着を日がなネットで検索する地味すぎる冬の日々。 晩ご飯も地味に昨日の残り物スープ。
 
2005.1.24 (Mon) in NY    ★★★

冬ごもりシーズン本格化。家の中で一人色々なことをやるのが楽し。HPのココを直して、本棚を片付けて、郵便局の帰りにあそこで一人でゴハンを食べよっと…等々。 飽きるということがない。まずい。ヘンリー・ダーガー現象といえそう。私の死後、山ほど埋もれた手作りアクセサリーやhtmlファイルが出てきたりして。 誰かに見せたり発表する意図もなくやる事々というのは、限りなく純粋で自分勝手なのだ。さて晩ご飯は緻密な計画通り、近所のイタリア屋。一人黙々と真面目にペンネ・アラビアータを食す。
 
2005.1.26 (Wed) in NY    ★★★

午後、ナッシー&まきこさんとお茶@ダンテ。女三人呑気に世間話をしているように見せかけて(誰によ?)実は作戦会議なり。もうすぐ、JALの機内誌用の取材をこの顔ぶれで行うのだ。 三人でケーキを食べながら話していると、次々新しい案がわいてきて楽しい。やっぱり企画立ては一人より掛け合いじゃな。夕、ワイン抱えて手下、来。またもヨーグルト菌をねだられる。 りまじいといい、どうも皆、菌をすぐ死なせてしまうようだ。「死んだと思っても生きてるよ。でも電車酔いするから(菌が)ゆらさないであげて」と重々しい顔で手渡す。
 
昨晩はぶっかけ稲庭うどんに、シュウマイ。どろどろ雪道を歩いて買い物に行くのが面倒で、あるもので食い繋いでおり。が、さすが稲庭!ぶっけかでも美味かよ。 今晩は牛アスパラ巻フライ。十品目を目指したけが一品足りないよサラダ(もやし、筍、大豆、ひじき、玉ねぎ、香菜、ごま、アスパラ、マッシュルーム)をごま油とレモンで。
 
2005.1.27 (Thu) in NY    ★★

氷点下の通りをさかさか歩き、画材屋とプラスチック屋探訪。ポケットフォルダーを買ってきて、たまっていた雑誌の料理ページの切抜きを整理した。 何ページものレシピを楽しくながめつつも、晩ご飯はスーパーの唐揚げ弁当。私はつくづく「料理好き」ではなく、「料理写真ながめるの好き」だ…。
 
2005.1.28 (Fri) in NY    ★★

朝一番でハンサムなUPSのお兄さんが荷物を持ってくる。開けると、小説推理のS町さんから見本誌と共に角田光代さんの「対岸の彼女」が! 実は二ヶ月程前、この本が直木賞をとる前にS町さんが「面白いですよー」と、他の本と共にお見舞い代わりに送ってくれたのだ。が、楽しみに待っていた宝箱は遂にNYには届かず行方不明に。 私が涙をのんで悔しがっていると今回再び送ってくれたのだった。ああ嬉しいよぅぅ、二度も本当に申し訳ないです〜〜勿体ないので寝る前に少しずつ読もう。 にしても幻の本たちは今いずこ……。晩ご飯はポテトとリークのスープに、白菜と山羊のチーズ、胡桃サラダ。
 
2005.1.29 (Sat) in NY    ★★

先週末に続き、スパニッシュ市場を見てまわり。羊の足や豚肉、野菜のウィンドウショッピングだ。働いているおじちゃんおばちゃんもフレンドリーで魅力的。引っ越したらここに近くなるので、毎日通おう。 本日の映画;「Nobody's Fool」家族を捨て小さな町で日雇いで生きる一見ダメダメな初老の男。それが、観ているうちに小さな欠片を寄せ集めるように魅力的な人間像が浮かんでくる。 このポール・ニューマンやCイーストウッド、年を経るごとにいい映画を作るなぁ。きっと年を経るごとに見えてくるものがあるせいだろう。 晩ご飯はものすごい量のマッシュルームで作ったマッシュルームのクリームスープと、メスカルンと山羊のチーズと胡桃のサラダ。
 
2005.1.30 (Sun) in NY    ★★

今日もご近所を歩こう日和。TPがシャツの袖を直してもらうというので、テイラーのおじさんのところへ。見れば見るほどデ・ニーロに似ていて、かっこいい。テイラーはお洒落さんが多い気がするな。 体にぴったりのシャツを見つけるのは本当に難しい。仕立てると$200はするそうだ。うーむ。晩ご飯はまたまた出ましたウィングス。手術後に落ちていた体重が、三ヶ月にして見事に元に戻りつつあり。 本日の映画;「ショコラ」またも勘違い。ジュリエット・ビノシュの映画と思って観だしたら、アフリカ物だった。これはこれで面白かったが、期待していて違う出だしだったときの「あちゃー」気分は痛いものがあるな。
 
あいも変わらずウィング食べてます!しかしプラックUは毎回味が微妙に違うのが困る。今日は肝心のウィングが完璧でなく、いつもまずいフライが美味しかった! 変わらず美味しいのがこの揚げポテトのマンチーだ。マンチーLOVE。でも少々高い(でもないか?)。「たった一口で35セント〜♪」と歌いながら、食べた。
 
2005.1.31 (Mon) in NY    ★★

十日も経つのにキムチ瓶でひねった指がまだ痛い。まさか折れてるんじゃ。キムチ骨折じゃ情けなさすぎ…。漫画家の中尊寺ゆつこさんの訃報きく。 彼女の「ニューヨークネイバーズ」はNYに来たばかりの頃、じっくり愛読したものだったなぁ。あの頃はクラブ(日本風発音で)やバブリーでブランド好きな漫画家などと揶揄されてもいたけれど、そういうことを揶揄する人よりえへへと楽しむ人のほうがずっと好きだ。 わざと軽すべりに見せるような偽悪的なとこも含め頭のいい人だったと思う。冥福を祈りたい。晩ご飯は豚しょうが焼きにポテトサラダ。沢庵とセロリのごま合え。
 

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